2019年9月9日月曜日

VROCによるM.2 SSD RAID構築(機器編)

 Intel製CPUのCore XやXeonでは,VROCと呼ばれる技術によってCPUに統合されたRAIDコントローラを用いたRAID構築を行うことができます.本テーマでは,X299プラットフォーム上で,M.2 NVMe SSDを4枚使用したRAID0ボリュームを構築します.今回は必要な機器であるM.2 NVMe SSD増設カードの説明です.

1. VROCの概要

そのうち書く

2. Asrock Ultra Quad M.2 Card

 この拡張カードはM.2ストレージ増設用PCIe拡張カードで,M.2 NVMe SSDを最大4枚装着できます.RAIDコントローラは搭載されていないため,RAIDカードよりも安価です.帯域はPCIe3.0x4が4本となっているため,マザーボード側で,x16レーンを4x4x4x4に分割する機能が必要です.

 カード寸法は厚さが1スロット占有,高さがカバー部分で約105mm,ブラケットからの長さが約250mmです.長さ寸法はハイエンドGPU並みの長さがあるため,PCIeスロットの延長線上にコネクタ類がある場合は干渉に注意が必要です.


 カバーを外して今回使用するIntel製SSDの760p 512GBを取り付けた状態です.カバー側には熱伝導シートが張られており,SSDからの熱を効率的にカバー側に伝えられるようになっています.

 カバーには厚さ4mmのアルミ板が張られており,SSDからの熱はこれを通してカバー側に伝わります.

冷却用に小型のファンが搭載されており,カバーの穴から吸気しブラケット側から排気するフローを確保できます.右上のスイッチを切り替えることで,ファンスピードを100%か50%に切り替えることができます.電源コネクタを引き抜けばおそらくファンレスで運用できるでしょう.なお,ファンの制御はAsrock製のソフトウェアを使用することでWindows上でも行えます.
 残念なのはこのファンが軸流ファンであることです.軸流ファンでは風は軸方向に流れるため,吸い込まれた空気はファン背面の基板に当たってしまいスムーズにブラケット側へ流れません.このため,軸に垂直(基板に対して平行)方向に排気するシロッコファンに比べて送風効率は低いかもしれません.

次回は取り付け後の設定を行います.