2019年10月1日火曜日

RealForceの分解と静音化

 購入して1年ほど使用している東プレのキーボードRealForceですが,一部のキーからポコポコと異音がし始めたので分解して原因を探るとともに静音化を試みました.


 使用しているのはRealForce R2テンキーレス静音モデルです.異音がし始めたのは矢印キーのうち左のキーで,底打ちした後離したタイミングでポコッという音がします.形容しにくいのですが,ジャムの蓋(開封後)の中央にある凸部分を押して離したときにする音に似ています.


 まず,キーボードの外装を取り外します.これは,下の写真の丸い銀色のシールの下のねじ1か所と,上下10か所にある爪を外すことで行えます.
 上側の爪は外から見えますが下側は隠れているため,薄いへらなどで位置を確認しながら外す必要があります.なお,銀色シールはDON'T REMOVEと文字があるため剥がすと保証対象外になると思われます.

外装を外すと下のようになります.裏側のねじを外す(40本近くあります)と,キートップ側と基板側に分離することができます.
表側(キートップ側)

裏側(基板側)

キートップ側の裏側


基板側

 基板側にあるドーム型のものはラバー製でカップラバーと呼ばれています.この内側には下の写真のようなスプリングが入っています.このスプリングはコニックリングといい,このリングたわみ具合を静電容量の変位として検知し,キーのオンオフを切り替えています.

 キースイッチ部の構造が分かったところで本題の異音の源ですが,カップラバーが原因のようです.カップラバーを上から押すと下の写真のようにへこむのですが,これが元に戻るときに音がします.この減少は押しつぶされて変形したペットボトルが元に戻るときに音を立てる現象に似ています.
 また,異音はラバーの右側から発生していました.触った感触からラバーの厚さにむらがあるようで,右側のほうが薄いため変形が大きくなっています.このため,右側からのみ音がしたのだと考えられます.


カップラバーを上から垂直に押したときの状態

 原因はカップラバーの変形によるものとわかりましたので,キーストロークを短くして変形を小さくする方向で静音化を検討しました.
 異音がなくなるストロークを計測したところ,今よりも1.4mm短くすることで音が出なくなることがわかりました.そこで下の写真のようにスポンジを張り付けることでキーストロークを短くしました.
 この結果,同じくらいの力でキーを押したときに異音が出る頻度は,静音化前に比べて少なくなりました.






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