2019年11月17日日曜日

PCIeスロットの破壊

 最近のマザーボードのPCIeスロットでは,重量級のGPUに対応するため金属製のパーツを使用するなどして強度を高めています.今回,このようなPCIeスロットに対して大きな荷重をかけた時にスロットがどのように壊れるかを検証します.

 検証にはASUS Z390-F GAMINGを使用します.商品ページに言及はありませんが,写真を見る限りこのマザーボードではASUS独自のSafeSlotという強化されたPCIeスロットが使用されているようです.
 SafeSlotではスロット筐体を金属板で補強しているほか,マザーボード基盤との接合強度を高めるため通常の固定ピンに加えて大きな二股のピンも使用されています.


 基板裏のスロットはんだ付け部分を見ると,半田が多いところが6か所あり,スロットが6点で固定されていることがわかります.



 下のような装置で一番上のx16スロットに差し込んだ金属板を引っ張りました.

 PCIeスロットに幅75mm,厚さ1.5mmの金属板を挿入

 金属板はジャッキで引っ張る.引っ張る力はばね秤で調整

結果

 スロットに差し込んだ金属板を10kgの力で下に引っ張ったとき,スロットは下の写真のように変形しました(現実的に10㎏も力がかかるはずはなく,あくまで壊す目的で力をかけました)

 スロットは固定ピンで基板にはんだ付けされていますが,半田が力に耐えられずピンが基板から抜けていました.

 コンタクトはスロット筐体に接着されておらず,筐体と一緒には抜けず基板側に残ったままです.

 スロット筐体を基板から完全に外すことができました.

強度を高めるはずの二股のピンはスロット筐体との接合が弱く,マザーボード側に残ったままです.

 






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