調査対象のストレージ
・Intel 760p 512GB1枚
・Intel 760p 512GB2枚,WindowsOSによるRAID0
・Intel 760p 512GB2枚,VROCによるRAID0
・Samsung970evo 1TB1枚
※すべてのストレージCPU直結のPCIe3.0レーンへx4で接続する(ULTRA QUAD M.2 CARDを使用)
使用するプラットフォーム
・マザーボード:X299Extreme4(Asrock)・CPU:Core i7 9800X,,8コア16スレッド,定格3.8GHz(intel)
調査手順
・BIOSの設定
OCを行うため以下の設定を行う.1)ターボブーストが切れないようにするため,長期間・短期間の電力制限を十分大きな値にする.
2)高い動作周波数での安定性を高めるため,CPU電圧のオフセットを調整する.
・ベンチマーク
1)ベンチマークソフトはCrystalDiskMark7.0fを使用する.2)プリセットにはデフォルトとREALを使用する(REALはQ1T1のIOPSのみ測定)
3)OC時のCPU周波数は,全コア最大周波数として3.8~4.6GHzの値を設定する.
結果
CPUの最大周波数は3.8と4.8GHzで1.21倍の差があるので,ストレージ(特にWindowによるソフトウェアRAID)の性能も同じくらい向上するかと思ったが結果は異なるものとなった.以下はCPUの最大周波数が3.8GHzの時のベンチマーク結果を基準として,CPU周波数によるストレージ性能の変化をグラフにしたものだが,Intel760pはRAID・非RAIDにかかわらず性能はあまり変わらなかった.
これに対してSamsung970evoでは,RND4K Q1T1のReadとIOPSがCPU周波数の値に対して級数的に向上した.なぜこのような変化の仕方をしたのかは分からない.T1が向上するならT16も同じ傾向になりそうだが.それ以外は760pと同様にCPU周波数による影響はほとんどなかった.
intel760p 512GBx2 WindowOS RAID0
intel760p 512GBx2 VROC RAID0
intel 760p 512GBx1
Samsung 970evo 1TBx1
今回の検証で,CPUの最大周波数がPCIe接続SSDの性能へ与える影響は,少なくとも3.8GHz以上では一部の指標を除いてほとんどないことがわかった.このことから,ストレージ性能の向上を目的としたCPUのオーバークロックはほとんどの用途で意味がないと思われる.
ただし,メーカーまたは型式によって一部の指標(今回はRND4K Q1T1)で性能の向上が見られたため,用途によっては意味があるのかもしれない.
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