デスクトップ版Intel Arcは当初からアイドル時の消費電力が高い問題があり,手元にあるA750も35Wと高い.これについてIntelから修正方法が提示されたので設定していく.
Intelのページによると,デスクトップ版Arcのアイドル時の消費電力を削減するには,PCIeに接続された機器に対する省電力管理機能ASPMをL1ステートで有効にし,かつOSから制御できるように設定する必要があるらしい.このための設定と効果をA750で検証した.
BIOSとOSの設定
1. BIOS
使用したMBはASUSのPRIME B660-PLUS D4で,スクリーンショットや項目名は同製品のBIOS(2014)のものである.
まず,Advanced Modeに移行し,AdvancedのPlatform Misc Configurationの設定へ移動する.
次に,以下の項目を設定する.
1) PCI Express Native Power Management>Enabled
2) Native ASPM>Enabled
3) ASPM>L1
4) L1 Substates>L1.1
5) PEG-ASPM>L1
なお,ASPMのステートはIntelの説明どおりL1にした.ただし,4)のL1 Substatesについては記載がなかったので,こちらを参照して多少省電力制御が緩い1.1とした.また,DMIと名の付く項目はチップセット周りの設定だと思われるのでそままとした.
2. OS
コントロールパネル>ハードウェアとサウンド>電源オプションの電源プランの選択またはカスタマイズ>プラン設定の変更>詳細な電源設定の変更へとたどり,PCI Express>リンク状態の電源管理を”最大限の省電力”に変更する.さらに念のためOSを再起動する.
これらの設定により,ASPMが以下のように有効化される.
ASPM OFFの時(HWiNFOから取得)
ASPM ONの時(HWiNFOから取得)
効果の検証
HWiNFOでアイドル時GPU Total Powerを3分間測定し,ASPMのON/OFFでどれくらい違うかを比較したのが以下のグラフである.
Total GPU Powerの3分間の平均値は,ASPMがOFFのとき32WだったものがONでは6.7Wまで削減された.ただ,他社製品ではアイドル時はメモリクロックが下がるものだが,A750ではASPMのON/OFFにかかわらず2000MHzのままであった.メモリクロックも下がるようになればばもっと省電力になるのかもしれない.
競合はこのような設定をしなくてもアイドル時の電力は十分低いので,次世代では改善してほしい.
Could you please check whether ASPM is also enabled on the ARC A750 PCI Express Endpoint device in hwinfo64? ASPM works for me on PCI Express Root Complex but not the Endpoint.
返信削除In this article setting, ASPM status of Intel ARC A750 PCI Express Endpoint device is Disabled in hwinfo.
削除On the other hand, when PEG-ASPM setting of BIOS is Disabled, endpoint device ASPM status is L1 entry, but root complex ASPM status is disabled. And in this setting, idle power consumption is not reduced.