HMB(Host Memory Buffer)対応のDRAMレスSSDではメインメモリの一部をキャッシュとして使用するが,メモリ周波数がどのくらい性能に影響するかを調べた.
概要
DRAMレスのSSDは価格が安くなる半面キャッシュがないことによる性能が落ちる欠点があるが,メインメモリの一部をキャッシュとするHMB(Host Memory Buffer)技術によりある程度性能低下を抑制できる.ただし,ランダムアクセスはDRAM搭載のSSDに劣るためランダム性能が重要なOS用のドライブには向かない.
今回の検証ではHMB対応DRAMレスSSDにWD BLACK SN770 1TBを使用し,メインメモリ(DDR4)の周波数を1333~3600MHzの間で変化させたときのCrystalDiskMarkスコアを測定した.
検証環境
CPU: Intel Core i5 12600K
Memory: Crucial Ballistix DDR4-3600MHz 8GBx4
測定結果
CrystalDiskMark8.0.4で測定したSN770の代表的なスコアは以下のようになる.なお,テストサイズは1GiBとしているが,これより大きくするとキャッシュがあふれて性能が落ちるらしい.
また,上位モデルであるWD BLACK SN850 1TBのスコアは以下のようになった.やはり全体的にSN850のほうがスコアは高い.
メインメモリの周波数を1333~3600MHzの間で変更させたときのSN770のスコアの推移は以下のようになった.なお,メモリタイミングなどはXMP2の3600MHzの設定で固定し,周波数だけ変更している.
SEQ1M Q8T1のスコア
SEQ1M Q1T1のスコア
RND4K Q32T1のスコア
結論としては,メモリ周波数を変えてもSSDの性能には影響がなかった.RAND4KのWriteがなぜかメモリ周波数の増加とともにスコアが下がっているが若干の違いである.今回はDDR4メモリを使用したが,DDR4とDDR5とでは違いは出るのだろうか.
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