2022年10月29日土曜日

Intel 13世代CPU i5 13600Kのベンチマーク

 Intelの13世代CPU Core i5 13600Kで,Cinebench R23のスコアとFreeCADのFEMの実行時間,消費電力を計測した.


システム構成

CPU: Core i5 13600K, 12600K
CPU Cooler: Noctua NH-U12A
CPU Thermal Paste: SMZ-01R
Memory: DDR4-3600 (BL2K16G36C16U4B) 16GBx2

 CPUの動作倍率はマザーボードのデフォルト設定を使用した.Intel XTUで確認すると13600Kと12600Kの動作倍率は以下のようになっており,13600Kの動作倍率は全体的に12600Kよりも高く,特に全コア駆動時は12600Kより13パーセントも高い.

 また,マザーボード側の電力関係の設定はVcore設定をAuto,LLCをレベル3,電力制限PL1,PL2をUnlimitedとした.

 ちなみに,メモリには3600MHzのOCメモリを使用したのだが,BIOS2103と12600Kの組み合わせではXMP2のGear1で動いたものが13600KではGear2でしか動かなかった.今後の更新で改善するのだろうか.

ベンチマーク結果

CinebenchR23

 Cinebench R23を5回実行し,その平均値をスコアとした.なお10分間の連続実行は行っていない.

 13600Kのスコアは12600Kに対してマルチでは約40パーセント,シングルでは約6パーセント高くなった.やはり動作倍率の向上やE-Coreの増加が影響しているのだろう.なお,13600Kのシングルの結果を1コア駆動時の動作倍率の比(51/49=1.04)で割るとおおむね12600Kのスコアとなるため,IPC自体はほとんど変わっていない.

FreeCADのFEM実行時間

 FreeCADのFEM(Calculixソルバー)で片持ち梁の構造解析を実行したときの計算時間を計測した.なお,解析の並列数はそれぞれのCPUの全スレッド数とした(13600Kは20スレッド,12600Kは16スレッド)

 13600Kの解析時間は12600Kに対して13パーセント短くなったが,おそらく動作周波数によるものでスレッド数の効果ではないだろう.(これに関しては以前検証を行っている)

CPUの消費電力とCPUパッケージ温度

 Cinebench R23を10分間行った時のCPUパッケージ電力とパッケージ温度をHWiNFOで測定した.

 ベンチマーク中のパッケージ電力は約155W,温度は約80C(室温24.5C)となった.これくらいであれば空冷でも十分対応できるだろう.ただし,今回のパッケージ電力はDDR4環境のものであり,DDR5環境ではより高くなると考えられる

CPUパッケージ電力とマルチコア性能の関係

 13600Kと12600Kで電力制限PL1とPL2を45Wから150Wまで変化させたときのCinebench R23スコアの推移は以下のようになった.
 これを見ると,同じパッケージ電力であれば,13600Kのほうがマルチコア性能が高い=電力効率が高い.なお,13600Kで電力を45Wから3.3倍の150Wまであげてもスコア(動作周波数)の上昇は1.8倍にとどまり,いかに電力を抑えながら周波数を上げるのが難しいかがわかる.

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