数年前からASUSのGPUは基盤上のスイッチでBIOS(PモードとQモード)を切り替えられるようになっているが,製品ページにモードによる違いの記載がないので調べた.
レビュー記事などで調べるとPモードは冷却重視,Qモードは静穏性重視らしい.ただ,詳しい動作まではわからなかったので実機で検証することにした.
使用したGPUはASUS Dual RTX 4070 OCで,下のように切り替えスイッチがついている.
なお,GPU-Zで各モードによる情報ではBIOSは確かにPとQで異なっていたがクロックなどは同一であった.
1. 検証環境
CPU: Core i5 13600K
MB: ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4
Memory: DDR4-3600 (BL2K16G36C16U4B) 16GBx2
GPU: ASUS Dual GeForce RTX 4070 OC Edition 12GB GDDR6X
周囲温度:26度
2. 結果
まず,3D Markのスコアを比較してみる.どのベンチマークでも,モードによるスコア差はほとんどない.
次にPort Royal実行時のGPU単体電力(HWiNFO読み)も見てみるが,こちらも違いがない.
ここからPモードとQモードの違いが出てくる.下はPort Royal実行時のGPUコア温度とGPUファン速度だが,ベンチマーク終了時の温度はPの方がQより5度以上低い.これは同図からわかるように,ファン速度がPモードの方が速いためと考えられる.Qモードでは静穏性のために温度上昇を許容してファンスピードを落としているようだ.なお,ファンの始動開始温度は両モードとも55-60度だった.
GPUメモリ,ホットスポットの温度についても同様で,Qモードのほうが温度が高い傾向にあった.
以上の結果から,冒頭の通りPモードは冷却重視,Qモードは静穏性重視であることが確かめられ,具体的な動作もわかった.
意外だったのはQモードの動作で,温度上昇を許容してファン回転数を下げているだけだったこと.BIOSを切り替えるのだからもっと高度な制御をしているのかと思った.このような動作では部品温度が上がりやすいので,製品寿命を気にするのであればPモードの方がいいかもしれない.
※今回の結果はDualシリーズ?によるものなので,もしかしたらTUFやROGでは動作が違うかもしれない.
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