2021年12月5日日曜日

Core i5 12600Kのベンチマーク(Alder Lake)

 Alder Lake Core i5 12600K(10コア16スレッド)のベンチマークを取り,同じ16スレッドの前世代のCPU(11700K,10700K)と比較した.

 

 Core i5 12600Kはインテルの第12世代Alder LakeアーキテクチャのCPUで,IAコアにbigLITTLEを採用していることが最大の特徴である.12600KのIAコアは,高性能コア(P-core)が6コア,高効率コア(E-core)が4コアの全10コアからなり,ハイパースレッディングに対応しているのはP-coreのみであるため合計スレッド数は16となる.この16という数字は直近2世代のCore i7に相当する.

 今回,12600KのベンチマークをCinebenchR23とCalculixのFEM実行時間で行い,結果を同じ16スレッドCPUであるCore i 7 10700K(第10世代)と11700K(第11世代)のものと比較した.また,iGPUについても動画エンコード時間の比較を行った.

 なお,Intel XTUでデフォルトの動作周波数倍率を確認したところ,以下のようになっていた.



検証環境

第12世代(Alder Lake)

Core i5 12600K(10-core 16thread)

マザーボード:ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4

BIOS:0707

メモリ:DDR4 3200MHz

CPUクロック:全コア使用時(P-core4.7GHz,E-core3.7GHz),単コア時4.9GHz

OS:Windows11(VBS無効)


第11世代(Rocket Lake)

Core i7 11700K(8-core 16thread)

マザーボード:ASUS Z590-F GAMING WIFI

BIOS:1007

メモリ:DDR4 3200MHz

CPUクロック:全コア使用時(4.7GHz),単コア時4.9GHz

OS:Windows10


第10世代(Comet Lake)

Core i7 10700K(8-core 16thread)

マザーボード:ASUS Z490-F GAMING

BIOS:1003

メモリ:DDR4 3200MHz

CPUクロック:全コア使用時(4.7GHz),単コア時4.9GHz

OS:Windows10


特記事項

・CPUのクロックは全コア動作時4.7GHz,単コア時4.9GHzに統一した.ただし,12600Kについては全コア時動作時P-core4.7GHz,E-core3.7GHz,単コア時P-core4.9GHzとした.

・電源設定はPL1を十分大きな値をとり電力制限の影響をなくした.

・Alder Lake世代の性能を引き出すため12600KのみOSをWindows11とした.また,VBSは無効とした.


結果

Cinebench R23

 Cinebench R23のベンチマークをそれぞれ3回行い平均値を計算した.下がその結果で,マルチにおいて12600Kは11700Kに対し1.2倍,10700Kに至っては1.5倍スコアが高く,世代が違うとはいえグレードの低いi5がi7を完全に打ち負かしている.



Calculixによる構造解析の解析時間

 FreeCAD(0.19)に組み込まれているCalculixで片持ち梁の構造解析を行い,かかった時間を比較した.なお,並列数は8である.


 以下が結果で,解析時間は12600Kが最も短く前世代に対して17~34パーセント高速になった.また,12600KとWindows11の組み合わせではE-coreに処理が偏るということはなかった.ただし,並列数8だとE-coreもそれなりに使うようなので,並列数はP-coreの物理コア数以下に留めた方が良いだろう.

解析中のCPU使用率

iGPUによる動画のエンコード時間

 Alder LakeではiGPUにInteu UHD Graphics 770が採用されている.このiGPUの性能を見るため,HandBrakeとIntel QSVの組み合わせで1080p,10分間の動画をエンコードし,そのエンコード時間を比較した.


 結果は以下のようになった.UHD Graphics770は前世代から順当に性能が向上し,GTX 1660TiのNVENCと並ぶ結果となった.


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