CPUクーラーを改造し,CPUのIHSとCPUクーラーの接触面の温度を測定できるようにした.
1. CPUクーラーの改造
CPUとクーラーの接触面の温度を測るため,空冷CPUクーラーのベースプレート中央に穴を開けて,そこに熱電対を通すことにした.
ここで問題となるのがヒートパイプで,パイプ本数が5本だとベースプレート中央に位置するので穴をあけることができない.また,ダイレクトタッチタイプのヒートパイプだと,パイプ間の隙間がほとんどないので,ダイレクトタッチのクーラーは除外される.これらを回避できてかつ安価なクーラーとして,虎徹MARK3を選んだ.
以下が2mmの穴をあけた状態.
熱電対を通すことができる.
2. 温度測定
CinebenchR23を10分間実行したときのCPUとクーラーの接触面温度を測定した.
条件は以下の通り.
CPUクーラー:虎徹 MARK3 (サイズ)
CPUグリス:SMZ-01R(親和産業)
MB:TUF Gaming Z690-PLUS D4(ASUS)
熱電対:AD-1214(AD)
温度ロガー:CT095SD(CUSTOM)
室温:27C
熱電対をクーラーに挿入するときはクーラー裏側中央のねじを外してそこを通す.
測定結果をHWiNFOのCPU Package Temperatureと比較した.室温27Cにおいて,HWiNFOのPakcage Temp.は75Cで,接触面温度は50Cでそれぞれ定常し,25Cの温度差が生じた.
ただ,この結果が妥当かどうかはあやしい.CPUのIHS厚さtを2.7mm,クーラーとの接触面面積Aを28.3x38.3mm2,銅の熱伝導率kを398[W/(m・K)]とすると,温度差dTが25Cだと伝熱量Q[W]=k*A*dT/tよりQ=3994Wとなってしまう.ベンチ中のCPU Package Powerはおよそ120Wだったので33倍もの差がある.考えられる理由として,熱電対と接触面の伝熱が不十分だったことがあげられるが,熱電対を引き抜いたとき先端にCPUグリスがべっとり付着していたのでこれ以上改善は無理だろう.
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