2023年9月にドイツのMamxonからCinebench 2024がリリースされた.現在広く使われているCinebench R23が2020年なので3年ぶりのアップデートとなる.このCinebench 2024とR23を,実行時間やリソース消費量を中心にを比較した.
検証環境
CPU: Core i5 12600K (全コア動作時,P-Core 4.5GHz,E-Cpre 3.7GHz)
MB: ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4
Memory: DDR4 3600MHz 32GB (16GBx2)
1. アプリケーションフォルダのサイズ
2024のアプリケーションフォルダに含まれるファイル数やデータサイズは,R23に比べてかなり大きくなった.ファイル数はR23から6.6倍に増え,データサイズは3.7倍の2.35GBとなった.2024はZIP形式で配布されているが,これを解凍するだけでも結構な時間がかかる.
2. 起動画面の比較
2024の起動画面はR23に比べて派手になった.また,左のPreferenceではCPUのほかR23にはなかったGPUのベンチマークも選択できるようになっている.ただし,使えるGPUはMamxon社のGPUレンダラであるRedshiftに対応した機種に準じており,今回の検証環境では対応GPUがないためグレーアウトしている.そのほかの項目はR23と同様である.
2024の起動画面
3. ベンチマーク中のメモリ使用量とCPUパッケージ電力
以下はR23と2024のCPUマルチをそれぞれ1回実行したときの,アプリケーション単体のメモリ消費量とCPUパッケージ電力の時間推移である.最初の80秒がR23マルチ,次の100秒が2024を初めて起動したときの処理,以降が2024マルチとなっている.
2024では初回起動時に初期化処理?の処理で結構な負荷がかかる.また,メモリ消費量が大幅に増加しており,ベンチマーク中に8GBを消費し,起動しているだけでも5.5GB消費している.R23ではベンチマーク中に2.5GB,起動中500MB程度だった.
OSなどの分も含めると,2024はベンチマーク中12GBのメモリを消費していた.公式の技術情報ではベンチマークの最小必要メモリは16GBとなっており,それなりに高性能のPCでないと実行すら難しいかもしれない.
また,後述するが,ベンチマーク時間がR23に比べてかなり長い.実行中の消費電力はR23も2024もそれほど違いはなかった.
4. ベンチマーク時間
2024のベンチマーク時間はR23に比べかなり長い.今回の環境では,マルチはR23の50秒から6分まで延び,シングルに至っては16分かかった.数をこなさないといけないベンチマーカーの人は大変だろう.
5. スコアの違い
2024とR23のスコアには互換性がないので比較してもしょうがないのだが,1桁小さくなった.R23の数万のスコアを見慣れていると物足りない気分になる.
まとめ
2024のR23からの主な変更点
・GPUベンチマークに対応.
・メモリ使用量が多い.
・ベンチマーク1回あたりの時間が長い.
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