USB給電のファンコンで12V駆動のケースファン使えるように,昇圧回路内蔵のUSB-ファンコネクタ変換ケーブルを接続したのだが,低・中速時に昇圧回路の部分からブツブツというノイズ音が発生することがわかった。そこで,ファンコンから出力される電圧波形をオシロスコープで見てみた。
USBファンコントローラ
使用したファンコンはアイネックスのU20AA-MF03FCで,USB給電対応のファンの回転速度をPWM制御によりLow(45パーセント),Middle(75パーセント),High(全開)の3モードで制御できる。
昇圧回路内蔵変換ケーブル
同じくアイネックスのCA-USB12Vを使用。USB-Aをファンコネクタ2ピンに変換するもので,USBの5Vを12Vに昇圧できる。写真はU20AA-MF03FCに接続したときのもの。
U20AA-MF03FCの出力電流と負荷側電圧
U20AA-MF03FCに負荷としてセメント抵抗をつなぎ,抵抗値を5-50ohmの範囲で変化させたときの電流と負荷側の電圧を測定した。給電はAnkerのUSB充電器を使用した。
以下は充電器直結,U20AA-MF03FCのLow・Middle・Hightの各モードにおける電流・負荷側電圧のグラフで,供給される電流値が大きくなるほど電圧降下していることがわかる。
U20AA-MF03FCの電圧波形
各モードの出力電圧がどのような波形となっているかをオシロスコープで調べた。オシロスコープにはPico Technologyの2204Aを使用した。
Low(45パーセント出力)
U20AA-MF03FCはPWMで電圧を制御しており,波形はON-OFFの方形波となる。Lowの出力45パーセントとはONの時間の割合(デューティ比という)が全体の45パーセントということで,図の波形もそのような形となっている。
Middle(75パーセント出力)
Lowに比べてONになる時間が増えている。
High(100パーセント出力)
OFFの時間が無くなっており,充電器からの出力波形そのままとなった。
このように,ファンコンからの出力はPWM制御により方形波となる。それをPWM波形の入力を前提としていない昇圧回路につないだものだから,昇圧回路からノイズ音が聞こえたのだろう。
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