Intel第13・14世代CPUの動作不安定を受け,マザーボードメーカから修正BIOSの公開が進められている.
修正BIOSでは,電力周りの設定にIntelの推奨設定を適用するIntel Baseline Profileを選択できるようになった.このプロファイルでは電力などの制限がより安全側に設定されているため,消費電力を抑制することができる.ただし,CPUの周波数を上げにくなるためCPUの性能は低下する.
自分が所有しているASUS PRIME Z790にもIBP対応のBIOSが公開されたので,i5 13600Kでどのくらい性能が低下するかを検証した.
検証環境
新BIOSでのIntelBaselineProfile(IBP)適用
1) IBP対応のBIOSに更新すると,AdvancedのAiTweakerに”Intel Baseline Profile”の項目が追加されている.
これを選択するとメッセージが出るのでYesを選択する.
2) 保存・再起動してもう一度BIOS画面に入る.IBP適用により以下の項目が変更されていた.
3) AiTweakerのInternal CPU Power Managementで,電流や電力制限がIntel推奨の値であることを確認する.違う場合は修正する.
IBP適用後の性能
IBP適用後のCPU性能を調べるため,IBP適用前のデフォルト(Default)と無制限(Remove All Limits)のCinebench R23スコアと比較した.
以上の結果から,IBP適用によりCPUの消費電力は下りそうなものだが,なぜかIBP適用後が最も高くなった.ベンチマーク中におけるCPUパッケージ電力のIBP適用後とDefaultとの差は36Wもあり,電力を抑えるためのBIOSにもかかわらず電力が大きくなるのは本末転倒である.
※そもそもDefaultが低すぎるのかもしれない.ひとつ前のBIOS(1645)では160Wだった.
原因はVcoreで,IBP適用後の値が突出して高い.この理由として,IA CEPのようなCPUの低電圧動作を抑制する設定(Vcore電圧が上がる)もIBP適用により有効になったこと,SVID BehaviorがIntel's Fail Safeに変更されたことが挙げられるが,よくわからない.
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