Intelの14nm++プロセスとAMD(TSMC)の7nmプロセスのそれぞれのプロセスルールで生産されたCPUダイを比較した.
比較したのはIntelとAMDの最新デスクトップ向けCPU(2020Q4時点)で,それぞれComet LakeとAMD Zen3と呼ばれるもの.Comet Lakeは最大10コア,Zen3は16コアまでラインナップされている.まず,CPUパッケージを比較する.下図はComet Lakeの10コア(左)とZen3の16コア(右)のCPUパッケージをどうスケールで並べたもので,PCBサイズはComet Lakeは37.5mm角,Zen3が40mm角で若干Zen3のほうが大きい.
両社で最も大きな違いとして,AMDではダイをCPUコアを含む演算用のダイ(CCD:Core Chiplet Die)と外部通信用のダイ(IOD:I/O Die)に分けている.下図でAMD RYZENの文字が書かれた上2つのダイがCCDで1個当たり8つのコアを搭載できる.残りがIODとなる.CCDは7nm,IODは14nmで製造されている.
ダイをCCDとIODとIODに分離した理由として,プロセスルール微細化の恩恵をI/O部は受けにくく,この部分も最新の7nmプロセス乗せると不経済となるためと言われている.
次に,ダイの平面図を比較してみる.下図は同スケールでZen3のCCD(1個分,8コア)とComet Lake(10コア)を並べたもので,上がZen3,下がComet Lakeとなる.Comet LakeのほうはCCDに比べて2コア多くiGPUもあるのでかなり大きく見える.また,CCDはダイ面積に占めるL3キャッシュの割合がComet Lakeにくらべて大きい.
最後に,コア1個あたりを比較した.下図はCPUコアを付随するL3キャッシュまで含めて上図から取り出したもので,左がComet Lake,右がZen3となる.面積を比べるとZen3はComet Lakeに比べて約75パーセントと小さく,微細化の効果が見て取れる.
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