2021年10月8日金曜日

TPMを有効/無効化したときのPC性能の比較

  Windows11ではシステム要件としてTPM2.0のサポートを必須としているが,このTPMの有効/無効状態がPCのパフォーマンスに与える影響を調べた.

 TPM(Trusted Platform Module)は,デバイスにセキュリティ関係の機能を提供するモジュールで,これを利用したものとしてWindowsのストレージ暗号化技術BitLockerがある.

 このTPMが有効/無効により,どの程度PCのパフォーマンスに差があるのかを調べてみた.

 結果としては,CinebenchとCDMのスコアについてはTPMの有効/無効状態による差は認められなかった.


1.TPM有効化の方法

 今回の検証ではマザーボードにASUSのZ590-f Gamingを使用したが,このマザーボードの場合TPMを有効化するには以下のようにする.なお,ASUSのマザーボードについてはこちらでも方法が解説されている.

 まず,AdvancedタブにあるPCH-FW Configurationを選択する.


 PTT(Platform Trust Technology)をEnableにする.

 Enableにすると以下のようなメッセージが出るので,OKボタンを押す.

 以上の手順を行い再起動するとTPMが有効になる.

2.TPM有効/無効時の性能の比較

 TPMの有効/無効時のPC性能の差を調べるため,ベンチマークを行った.ベンチマークにはCPUについてはCinebench23を,ストレージについてはCrystalDiscMarkを用いた.

検証環境

・CPU:Intel Core i5 11600K,全コア4.8GHz固定
・マザーボード:ASUS Z590-f gaming WIFI(BIOS 1007)
・主メモリ:16GB,3200MHz
・OS:Windows10 Pro 20H2
・Cinebench R23
・CrystalDiscMark 8.0.1

 以下が結果となる.
 まず,Cinebenchについては,シングル・マルチどちらもほぼ変わらなかった.このことから少なくともエンコード系の作業にはTPMの有効化の影響はないと推測される.

 次にCDMだが,DefaultとRealの両方を測定した.
 まずDefaultを比較すると,TPM無効/有効でスコアにほとんど違いがない.


 Realの方も同様に違いがない.


 これらのことから,ストレージ性能についてもTPMの影響はほとんどないと思われる.

 以上により,CinebenchとCDMのスコアが重要になるソフトウェアについては,その性能がTPMの有効/無効状態に左右されることはないと考えられる.















0 件のコメント:

コメントを投稿