Windows11ではシステム要件としてTPM2.0のサポートを必須としているが,このTPMの有効/無効状態がPCのパフォーマンスに与える影響を調べた.
TPM(Trusted Platform Module)は,デバイスにセキュリティ関係の機能を提供するモジュールで,これを利用したものとしてWindowsのストレージ暗号化技術BitLockerがある.
このTPMが有効/無効により,どの程度PCのパフォーマンスに差があるのかを調べてみた.
結果としては,CinebenchとCDMのスコアについてはTPMの有効/無効状態による差は認められなかった.
1.TPM有効化の方法
今回の検証ではマザーボードにASUSのZ590-f Gamingを使用したが,このマザーボードの場合TPMを有効化するには以下のようにする.なお,ASUSのマザーボードについてはこちらでも方法が解説されている.
まず,AdvancedタブにあるPCH-FW Configurationを選択する.
PTT(Platform Trust Technology)をEnableにする.
2.TPM有効/無効時の性能の比較
TPMの有効/無効時のPC性能の差を調べるため,ベンチマークを行った.ベンチマークにはCPUについてはCinebench23を,ストレージについてはCrystalDiscMarkを用いた.
検証環境
・CPU:Intel Core i5 11600K,全コア4.8GHz固定
・マザーボード:ASUS Z590-f gaming WIFI(BIOS 1007)
・主メモリ:16GB,3200MHz
・OS:Windows10 Pro 20H2
・Cinebench R23
・CrystalDiscMark 8.0.1
以下が結果となる.
まず,Cinebenchについては,シングル・マルチどちらもほぼ変わらなかった.このことから少なくともエンコード系の作業にはTPMの有効化の影響はないと推測される.
次にCDMだが,DefaultとRealの両方を測定した.
まずDefaultを比較すると,TPM無効/有効でスコアにほとんど違いがない.
Realの方も同様に違いがない.
以上により,CinebenchとCDMのスコアが重要になるソフトウェアについては,その性能がTPMの有効/無効状態に左右されることはないと考えられる.
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