IntelのAlder Lakeのソケット規格LGA1700で採用されているCPUを固定する機構(ILM)は,力が強すぎてCPUのヒートスプレッダ(IHS)を従来より大きく曲げてしまうそうだ.これによりCPUクーラーのベースプレートとの接触面積が減り,CPUの冷却に悪影響を与えるらしい.
この改善手段としてマザーボード基盤とILMの間にワッシャを挟んでCPUにかかる力を軽減するという方法が紹介されている.
YOU GUYS asked me to try this... so I did
自分が持っている12600K(2か月くらいメイン機で運用)は発熱が比較的少ないSKUで冷却に問題もなく,この方法を試すつもりはない(やってみたが,反りは減少したものの温度に変化はなかった).ヒートスプレッダ(IHS)の変形がCPUの動作に影響を与えないかという懸念はあるが,そこまで深刻な問題ならCPUやMBの開発過程で既に見つかっているだろう.
今回は検証として,12600KをILMから外したときとILMに固定したときのIHSのへこみ具合を比較した.また,Noctuaの空冷クーラーNH-U12Aのベースプレートとの接触具合についても調べた.なお、マザーボードはASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4を使用している.
1. 12600Kのヒートスプレッダのへこみ具合
以下のように平面度の高いガラス板に朱印のインクを薄く塗り,CPUのIHSにインクを擦り付けた.へこんでいる部分はインクがつかないので,どこがへこんでいるか見分けることができる.
CPUをILMから外した状態では,若干中央がへこんでいるがおおむね平面であることがわかる.
これに対してILMに固定した状態ではインクがCPUの上下にしか付着しておらず,CPUを押さえつけている位置を中心にへこみが大きくなっていた.隙間ゲージで測ったところ,IHSの中央はインクが付いている部分よりも0.04-0.05mm沈んでいた.
2. NH-U12Aのベースプレートとの接触具合
NH-U12Aのベースプレートは若干凸形状となっている.ベースプレートが凸型か平面かを見分けるにはクーラーを平らな場所に置き,クーラーを回してみるといい.抵抗なく回る場合は凸型である.
接触具合を見るために,ベースプレートにインクをつけた状態でクーラーをCPUに取り付けた.IHSへのインクの移り具合は下のようになり,平面のガラス板に比べ接触具合が良い.
なお,NH-U12Aと12600Kの組み合わせでCinebenchR23を10分実行したとき,室温16C,CPUパッケージ電力140WにおいてCPU温度は約65Cとなった.室温が15C上がって30CになってもCPU温度は80C位だろうから冷却に問題はない.
0 件のコメント:
コメントを投稿