Intelの第12世代CPU Core i5 12600Kを用いてVcore電圧と動作周波数,CPU消費電力の関係を検証した.
これまでIntel製CPUについてCPUのVcoreと動作周波数がCPUの消費電力とどのような関係にあるか検証してきた(その1,その2,その3).その結果,消費電力は理論的には動作周波数×Vcore^2に比例するはずだが実際は動作周波数×Vcore^2.5の方がより良い相関があること,Locket Lake世代ではあるVcore電圧を境に比例定数が何故か異なることが分かった.
今回,新しいアーキテクチャであるAlder Lakeについて同様の検証を行った.だたし,Alder LakeはP-coreとE-coreの混合アーキテクチャであり,検証が面倒なためE-coreは無効にした.
検証環境
CPU:Core i5 12600K(E-core無効)
マザーボード:ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4
BIOS:0707
メモリ:DDR4 2400MHz
動作周波数の制御は3.7GHz以上はIntel XTU,それ未満はBIOSで行った.Locket Lake世代の時もそうだったが,XTUでは定格を下回る周波数には設定できないようだ.
結果
P-core全コア動作時の周波数を1.0~4.8GHz,Vcore電圧を0.9~1.4Vの間で変化させながらCinebenchR23を実行し,HWiNFOで周波数,Vcore電圧,P-coreの消費電力(IA Core)を記録した.
以下は横軸を動作周波数×Vcore^2,縦軸をP-core消費電力としたグラフである.なお,それぞれの値にはベンチ実行中の平均値を使用している.
このグラフより,動作周波数×Vcore^2と消費電力は前世代までと同様に比例関係にあることがわかる.ただし,Locket Lakeの時とは異なり,あるVcore電圧を境に比例定数が異なるといったことはなかった(Locket Lakeが特殊だったのだろう)
また,Vcoreの乗数を2.5とした場合は以下のようになった.こちらも前回までと同様に乗数が2のときよりも相関が良くばらつきの範囲が狭まっている.
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