クールスタッフはOKI電線が開発した放熱フィルムで,M.2 SSD対応品も発売されている.
この放熱フィルムは絶縁層,熱伝導層,熱放射層からなり,熱伝導層により高温部の熱を拡散することで表面の熱密度を下げ,熱放射層から対流や放射伝熱により熱を外部に放出することで高い放熱効果を実現している.
以下は製品ページからの引用
今回,このクールスタッフをM.2 SSDの冷却に使用し,どのくらい効果があるのかを検証した.
1. 検証環境
・クールスタッフ
120x125mm,厚さ0.3mmの製品で,表面(写真の面)が熱放射層,裏面が粘着テープになっている.これを2280 M.2 SSDサイズ(22x72mm)に切り取って使用する.
・M.2 PCIe変換カード
・M.2 SSD
2. 検証方法
以下はCrystalDiscMark(CDM)を実行したときのSN750の消費電力の推移で,SEQ1MQ8T1 Readの時が最も高く4.5W,次点でSEQ1MQ8T1 Writeが4Wとなっている.
3. 検証結果
CDMのSEQ1MQ8T1を実行し続けた時のSSD温度(HWiNFOのDrive Temperature)を,ヒートスタッフなし(Normal),あり(Cool Staff 22x72),あり(Cool Staff 103x120),AIF-10付属のヒートシンクの4条件でそれぞれ測定した.
なお,Cool Staff(22x72)はM.2SSDにちょうど収まる大きさで,103x120は余ったシートを無理やり張り付けた.
Cool Staff 22x72
Cool Staff 103x120
以下が測定結果となる.
AIF-10のヒートシンクの温度が最も低くなり,室温24Cにおいて70Cを超えることがなかった.
クールスタッフなし(Normal)の場合,80C到達後はほぼ一定となった.80C到達後の温度変化が不自然なので,おそらくこのあたりの温度でサーマルスロットリングが発生したと思われる.
クールスタッフありの場合,なしに比べて昇温は多少緩やかになるものの80Cに到達してしまった.特にCool Staff 22x72のほうは昇温カーブもクールスタッフなしとほとんど変わらず,効果はほぼないといえる.
ただし,今回の測定では最大負荷をかけ続けたのでこのような結果となったが,一般的な負荷であればCool Staff 103x120のようにSSDよりも大きな表面積を確保できるような張り方をすれば,効果は見込めると思われる.
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