M.2 PCIe変換カードを改造し,搭載したSSDの消費電力を測定できるようにした.
変換カードにはAinexのAIF-10を使用した.なお,AIF-10についてはこちらでレビューしている.
1. 測定の準備
電力を測定するにはSSDへの供給電圧(PCIeの仕様上は3.3V)と電流を測定する必要がある.このため,PCIeスロットからSSDに給電する配線をテスターで測れるように外へ出した.
まず,電流を測定するため下の写真のように2本の赤いリード線で+3.3Vを外に出した.また,電流がリード線側に流れるようにリード線とリード線の間の基板側の配線を切断した.なお,+3.3Vを供給するPCIeのピンはいくつかあるが,最終的にはどれも今回改造した配線に合流しており,電流の測定漏れはないと思われる.
そして,黒いリード線でGNDを外に出した.SSDの電圧を測定するときは,このGNDと+3.3Vの間の電位差をテスターで測定する.
2. CrystalDiskMark実行中の消費電力測定
電流と電圧測定は下の写真のように2台のテスターを使用して行った.写真左側のテスターが電流,右側のテスターが電圧を測定している.
この状態でCrystalDiskMarkを実行,その間の消費電力の推移をみるのだが,今回使用するテスターにはロガー機能がない.このため,テスターの表示を録画し,それを見ながら消費電力を計算することにした.
なお,SSDにはWDのWB Black SN750 1TBを使用し,PCの電源モードはハイパフォーマンスである.
3. 測定結果
下のグラフはテスターの表示の録画から2秒ごとに電流と電圧の値を読み,消費電力を計算したものである.グラフ中にはSSDの状態(待機,ベンチ開始,Read中,Write中)を追記している.
今回の測定では,SN750の待機時の電力は約1.1W,ベンチマーク中の最大電力は約4.5Wとなった.また,ベンチマークは読み出し時の方が書き込み時よりも消費電力は大きくなる傾向にあった.なお,ベンチマーク終了後数秒間消費電力が大きい区間があったが何なのかはわからない.ベンチマークで使用した一時ファイルを削除しているのだろうか.
SN750の消費電力は仕様上は最大9.24Wだが,今回の測定ではそこまでの値は現れなかった.この理由としてテスターの液晶表示の更新頻度が低く表示されなかったことが挙げられる.
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